いよいよ手術当日になりました。例によってまたあまり眠れていないなかったんですが、今日の夜にはいろいろと疲れ果てて眠れるだろうと思って気にしませんでした。(後に書きますが読みが甘かった。)
今回の私の手術は鏡視下腱板修復術といって内視鏡を肩に挿入して映像越しに腱板の修復を行うという術式だったのですが、事前の説明やネットでの情報では昔ながらの直視下手術(メスで皮膚や肉を切る)より傷が小さくて済むし、術後の痛みも軽いとのことでした。
今までの経験上、全身麻酔での手術の前は絶食と浣腸をして胃や腸の中身を空っぽにしておく必要があって、今回もそうなんだろうと思っていたら今回は浣腸はしなくていいということでした。
(理由を聞いておくのを忘れてしまったのでどなたか今回の手術で浣腸が必要なかった理由がわかる方がおられましたら教えてください。笑)
水も朝6時までOKだったので当然6時少し前に最後の水分補給は行いました。
そして何より今回の手術がすごく気楽だったのが、全身麻酔にかけられる過程で今までは絶対マスクを被せられそこから出てくるガスを吸わされて眠らされていたのですが、私はどうしてもあのガスの臭いが苦手で子供のころの手術では耐えられず意識がまだあるうちに自分で外してしまったことがあるほどです。(当時の手術室の看護師さんにはご迷惑をおかけしました。)
そんなトラウマがその後の数回の手術のときも消えず、いつも手術自体の不安よりもあのマスクの臭いをかがされることが最大の苦痛でした。そのことを麻酔科の受診のときに話したので麻酔科の医師が配慮してくれたのかは不明ですが、今回は手術室に入って諸々の準備が整ったらまずは注射で麻酔をかけて意識を飛ばしてくれるとのことでもう全く不安も嫌な思いもせずに気がついたら病室のベッドでした。
(過去の手術ではだいたいストレッチャーに乗せられ手術室に入ったのですが、今回は車椅子を自走して手術室に入るという初の経験もしました。先ほども書いたように過去の手術ではこれから嗅がされるであろう麻酔の臭いに対しての心の準備で周りを見渡す余裕なんてなかったんですが、今回は自分で車椅子に乗って移動したこともあり気楽なもんで麻酔で意識がなくなるまでは手術室の雰囲気や景観をじっくり堪能しました。笑)
麻酔の準備と手術本番の合計時間は約3時間だったらしく、意識が戻ったときは13時になったかなっていなかったかぐらいのころでした。目が覚めると病室に母親となぜか親戚のおばちゃんがいました。私がまだ麻酔から覚めていないときに母親が執刀医(主治医)から手術の説明を受けたらしいのですが「なんとかアンカーを5本使ってどうのこうの・・・話や用語がよくわからなかった・・・」と言っていました。笑
心の声「おいおい、頼むよ…スーチャーアンカーね。こりゃあ後日自分でもう一度聞かなきゃダメだ。笑」
とりあえず手術はうまくいったということはわかったので一安心ですが、麻酔から覚めて意識がハッキリしてくるにつれてなんだかすごく体が窮屈なことに気付きます。目線を下に向けてみると右腕は装具でガッチリ固定されていました。

麻酔から覚めたばかりでまだ身体に力が入らず、肩と腕を固定されているので寝返りをうつことも自力ではままなりません。更に点滴やら神経ブロックの管やら尿道留置カテーテルも挿れられているのでなおさら身動きがとれません。障害的に私は下半身にはあまり肉や脂肪はつかないのでお尻の辺りは骨と皮です。なので手術中からずっと仰向け状態で寝かされていたせいで腰やお尻に負担が集まりかなり痛い。ちょうどそのころ看護師さんが様子を見に来てくれたので横向きにしてもらうようお願いしました。
(右腕を固定しているので固定がとれるまでは右下で寝たりうつ伏せにはなれず、選択肢は座るか左下で寝るか仰向けで寝るかの3択しかない生活が続きます。)
手術が終わって3時間ぐらいが経ち、もう意識も完全にしっかりしてきたところで鼻に付けられている酸素の管が外されました。これも今回の手術がすごく楽だったことの一つで、過去の手術では術後数時間はガッチリ酸素マスクが被せられていたんですよね。あれがけっこう暑苦しくて窮屈なんです。でも今回は酸素の管を鼻の穴の入り口辺りまで挿れられていただけだったのですごく楽でした。
麻酔で動きが停止していた胃腸も動き出したのでここで術後の軽食タイムだったのですが、術後の初めての食事といえば胃腸への負担を考えて消化のいいお粥(しかもかなりドロドロでほぼ糊。笑)が定番です。私は子供のころからお粥がどうしても苦手で(お粥どころか普通に炊いたご飯でも水を多めに炊いた柔らかめのご飯が苦手)過去の手術のときも必ずお粥だけは全く手を付けず残していました。今回もお粥には手を付けずおかずとして出てきた卵豆腐とゼリーだけを完食して終了。でも利き腕の右手を固定されているせいで左手じゃものすごく食べづらい。笑
術後食を食べたあとは、はたして左半身の力だけで自力で車椅子に移乗できるのか、自力で漕ぐことができるのかの見極めが看護師さん立ち会いのもと行われました。初めて片腕の力だけでベッドから車椅子に移ってみましたが、予想していた以上にキツイ。身体に纏わり付いているオシッコ袋や神経ブロックの管もあるので余計に身動きがとれません。それでもここで自力で行動できないと判断されてしまうと固定が取れるまでは常に誰かの介助付きで行動しなければならず、それだけは避けたかったのでかなり頑張りました。笑
なんとか合格の判定をもらい、院内の行動は自力で自由にしていいということになりました。ただ、トイレはどうしても一人では無理ということは事前にわかりきっていたことなので、そのための尿道留置カテーテルでした。固定が取れるまでの6週間、ずっとこれを挿れっぱなしになるのですがこればっかりは仕方ないですね。尿意をもよおす度にナースコールを押してトイレに連れて行ってもらったり部屋で尿瓶でさせてもらうよりは自分も気楽ですし、忙しい看護師さんの手を煩わすよりマシと思って自分でこの方針をお願いしました。
オシッコのほうはこれでクリアできたとしても問題は大のほうです。私は障害的に常に便秘気味なんですが、週に2回摘便をしてもらうことになりました。今まではあまりにも出ない日が続いたら自分で摘便していたので摘便の違和感というか気持ち悪さはなかったのですが、やはり他人に指を突っ込まれてほじくり出されるということへの羞恥心や申し訳無さがあって他に方法はないものかと考えましたがこれ以外ありませんでした。(極力出ないように食べることを控えようとかバカなことも考えました。笑)
看護師さんとそんな話をしているうちにもう夕食の時間です。さっき術後食を食べたばかりでそんなにお腹は空いていなかったのですが、24時間ぶりのちゃんとした食事が嬉しくて完食しました。左手では箸なんて全然使えず、スプーンも料理によっては使えない。いろいろ試した結果、コンビニでもらえるプラスチックでできた先割れスプーンが一番食べやすかったです。
夕食後はいつものようにスマホをいじって時間潰しですが、左手だけじゃスマホですらうまく操作できません。しかも点滴の針が刺さったままなので変な角度で動かすと中で針が動いて痛い。そんな感じだったのでネット巡回もこの日は早々にやめて消灯時間前に寝ることにしました。
神経ブロックが術後2日は注入されているらしいので右肩や傷口の痛みは全くありません。それどころかブロックがガッチリ効いていて右手の指先の感覚も全くない状態です。なので患部が痛くて眠れないということはなかったのですが、先ほども書いたように寝る体勢が左下か仰向けしかできないので左下で1時間寝ると身体が痛くなって起きる。仰向けになって寝るとまた1時間後ぐらいに腰とお尻が痛くなって起きるのループで、寝返りをうつにも身体中に挿れられてるカテーテルとか点滴の針とか神経ブロックの管とかに気を使わなければいけないのでこの日もやっぱりほとんど眠れませんでした。終いには座り込んでウトウトする始末。笑
こうしてなんとか無事に手術当日を終えることができました。
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